【モデルライン紹介】ジョンロブ「4つのモデルライン(MODEL LINE)」

ジョンロブ(モデルライン)

ジョンロブには有名なモデルが何個もあります。

シティ2、ウィリアム、フィリップ2、・・・

ただ、一口にジョンロブの革靴と言っても、実は3つのモデルラインに分かれています。

この3つのモデルラインに加え、毎年、数量限定で発売されるイヤーモデルもあります。

本記事では、この3つのモデルラインとイヤーモデルについて紹介させて頂きます。

1.概要

ジョンロブの既成靴は、以下の3つのモデルラインとイヤーモデルに分けることができます(これ以外にスニーカーもありますが、ここでは革靴のモデルのみ紹介しています)。

1.プレステージライン
2.クラシックライン(スタンダードライン)
3.ニュークラシックライン
4.イヤーモデル

それぞれの簡単な概要は以下の通りです。

1.【プレステージライン】
イヤーモデルを除いて、ジョンロブの既成靴の中で最上位に位置するモデルラインです。既成靴ではありますが、ビスポークの技術が多く取り入れられています。

2.【クラシックライン (スタンダードライン )】
ジョンロブの既成靴のスタンダードなモデルラインです。シティ2やウィリアムなど多くの有名なモデルも、このクラシックラインに属しています。

3.【ニュークラシックライン】
プレステージライン作製の際に生じた革の余りを使用したモデルラインです。そのため、革の廃棄を削減すると共に、価格も抑えられています。

4.【イヤーモデル】
毎年、数量限定で発売されるモデルです。希少性や作り込みはプレステージラインを上回りますが、発売時期・数量が限られています。

以下で、それぞれについて説明させて頂きます。

2.プレステージライン

アルフォード(ALFORD)

(1)特徴

ジョンロブのモデルラインの中でも、既成靴にビスポークの要素を取り入れた最上位のモデルラインです。

その主な特徴は、

・手で丁寧に削り込まれたヴェヴェルドウェスト
・プレステージレザーソール
・木製の純勢シューツリーが付属

となっています。

それぞれ、簡単に概要を説明します。

(2)ヴェヴェルドウェスト

ヴェヴェルドウエスト(Beveled Waist)とは、ウェストと呼ばれる、土踏まずの部分(靴底が一番くびれた部分)について、極限まで細く絞り込まれたものをいいます。

また、ウェルト上の縫い代も極限まで小さくなっています。

例えば、下の写真は、左がクラシックラインのシティ2のソールで、右がプレステージラインであるアルフォードのソールです(少し汚いですが)。

上記の灰色で囲ったウェスト部分が、右のアルフォードの方がくびれています。

また、ウェスト部分のウェルト上の縫い代もプレステージラインの方が細くなっています。

下がクラシックラインのシティ2のウェスト部分です。

そして、下がプレステージラインのアルフォードのウェスト部分です。

下の写真のアルフォードの方がウェスト部分の縫い代が細くなっています。

このヴェヴェルドウェストを採用することによって演出される細いくびれにより、全体の印象がよりシャープに洗練されたものになっています。

(3)プレステージレザーソール

こちらについては見た目も分かりやすいかと思います。

先ほどと同様に、クラシックラインであるシティ2(左側)と、プレステージラインであるアルフォード(右側)を並べてみます。

右側のプレステージラインについては、ソールの土踏まずの部分が黒く塗装してあるのが分かります。

このような仕上げは「半カラス仕上げ」と呼ばれています。

つま先部分にかけて塗装がされていないのは、この部分は靴を履いているうちにすぐに色が落ちてしまうため、最初からあえて塗装をしていないという実用的な点を考慮しています。

上の画像からも分かる通り、プレステージラインのソールの方が、この半カラス仕上げにより、一層洗練されたフォーマルな印象になっています。

(4)木製のシューツリー

そして、プレステージラインには、純正の木製シューツリーが付属します。

以下がそのシューツリーです。

ジョンロブの靴は、しっかりケアをすれば、当然長く履くことができる作りになっています。

靴のケアの一つとして、靴の型崩れを防ぐためにシューツリーはあった方が望ましく、シューツリーを合わせて購入される方が多いかと思います。

そのため、プレステージラインには最初から純正のシューツリーが付いてくるのは有難い点です。

(5)モデル一覧

プレステージラインのモデルについては、ジョンロブのホームページ上でも「プレステージ」としてカテゴリー分けされていますので、プレステージラインのモデルのみを一覧で表示できるようになっています。

3.クラシックライン

シティ2(CITYⅡ)

(1)特徴

ジョンロブの既成靴におけるスタンダードなモデルラインです。

スタンダードと言っても、そのクオリティや価格は他の高級メーカーと比べても遜色は全くありません。

上記で紹介したプレステージラインと比べると、

・ヴェヴェルドウェストではない
・レザーソールが半カラス仕上げではない
・木製のシューツリーが付属しない

といった違いがあります。

ヴェヴェルドウェストとレザーソールの特徴については、上記のプレステージラインの説明をご参照下さい。

(2)シューツリーについて

上記のヴェヴェルドウェストとレザーソールの違いも大きな違いですが、シューツリーが付属しない点も、価格面では検討の際の大きなポイントになります。

クラシックラインには純正シューツリーは付属しませんが、ジョンロブでは、純正のシューツリーを別売りで購入することはできます。

つまり、クラシックラインのモデルを購入の上、ジョンロブの純正のシューツリーを使用したい場合は、別売りでシューツリーを購入する必要があります。

このジョンロブの純正シューツリーは税込で22,000円しますので、仮にジョンロブのシューツリーを購入される前提であれば、靴自体の定価に加え、22,000円が必要となります。

この点は、プレステージラインとの価格差を検討される場合は、意識する必要があります。

例えば、ジョンロブのストレートチップのモデルは、プレステージラインとクラシックライン(スタンダートライン)のモデルラインでそれぞれ以下のものがあります。

プレステージライン「アルフォード(ALFORD)」

クラシックライン「シティ2(CITYⅡ)」

プレステージラインであるアルフォードの定価は286,000円ですが、一方、クラシックラインのシティ2の定価は192,500 円となっています。

この定価の価格差は286,000円−192,500円=93,500円です。

ただし、プレステージラインであるアルフォードにはシューツリーが付属しますが、クラシックラインであるシティ2にはシューツリーは付属しません。

そのため、シティ2と一緒に純正シューツリーを購入する場合、その価格差は286,000円−(192,500円+22,000円)=71,500円となります。

純正シューツリーの価格自体も安くはありませんので、ジョンロブの靴の購入を検討される際は、このプレステージラインとクラシックラインにおけるシューツリーの有無も念頭に置かれると良いかと思います。

(3)コアコレクションとの違い

ジョンロブのホームページ上には、「クラシックライン」や「スタンダードライン」といった選択はありません。

一方、ホームページ上では「コアコレクション」という表示がありますが、これはクラシックラインを意味しているわけではありません。

この「コアコレクション」は、その名の通り、ジョンロブの著名なコレクションをピックアップしたもので、プレステージラインのモデルとクラッシックラインのモデルが混在しています。

例えば、「コアコレクション」で表示するとフィリップ2が含まれているのが分かります。

しかし、既に説明させて頂いた通り、フィリップ2はプレステージラインのモデルです。

一方、シティ2もコアコレクションとして表示されますが、こちらはクラシックラインのモデルとなっています。

このように、

「コアコレクション」≠「クラシックライン(スタンダードライン)」

である点に注意下さい。

(4)モデル一覧

私が紹介させて頂いたクラシックライン(スタンダードライン)に属するモデルの靴には、以下のものがあります。よろしければ参考にご覧下さい。

4.ニュークラシックライン

(1)特徴

このニュークラシックラインは、ジョンロブの3つのモデルラインの中で、最も手頃な価格帯のラインです。

ただ、手頃な価格帯といっても、税込で15万円近くしますので、あくまでジョンロブの既成靴の中では手頃な価格帯という意味になります。

このニュークラシックラインの特徴は、プレステージラインの作製において一枚の革からパーツを採取した後に、余った革から更に採取した革を使用しているという特徴があります。

プレステージラインの作製においては、1枚の革から大きなパーツを何個か採取していますが、大きなパーツを採取する分、少なくない部分の革が余っていました。

このニュークラシックラインは、そのような余った革を使用して作製されています。

そのため、ニュークラシックラインの靴は、プレステージラインの靴に比べ、比較的小さな革を繋ぎ合わせて作製されています。

具体的には、

・プレステージライン:1足につき5〜6程度のパーツを使用。
・ニュークラシックライン:1足につき15程度のパーツを使用。

と言われています。

ただ、一般的な高級靴も一足につき15程度のパーツを使用していると言われていますので、ジョンロブのニュークラシックラインも、一般的な高級靴と比べて遜色はありません。

また、革もプレステージラインと同様の革を使用していますので、その革質が劣ることもありません。

(2)常時店頭には並んでいない

ニュークラシックラインは、このように、プレステージラインの作製において余った革を使用しているという特徴があるため、生産される数も限られているようです。

そのため、常に店頭に並んでいるモデルではありません。

また、サイズや色の在庫も豊富にあるとは限りませんので、自分の欲しいサイズや色があればラッキーと思っておいた方が良さそうです。

(3)代表モデル

また、このニュークラシックラインのモデルは、現時点ではホームページにも掲載されていません。

私が紹介させて頂いたニュークラシックラインに属するモデルの靴には、以下のものがあります。よろしければ参考にご覧下さい。

5.イヤーモデル

上記の通り、ジョンロブには3つのモデルラインがありますが、これに加え、毎年数量限定で発売されるイヤーモデルも存在します。

このイヤーモデルは、その希少性だけでなく、靴の作り込みの点でもプレステージラインの上をいくモデルと言えます。

例えば、2021年のイヤーモデルは「ウィリアム75(WILLIAM 75)」というモデルです。

イヤーモデルの詳細については、改めて別の記事で紹介させて頂きます。

6.それぞれの特徴を知って、満足できる一足を

以上、ジョンロブの3つのモデルラインとイヤーモデルを紹介させて頂きました。

ジョンロブのホームページを見ているだけでは、このようなモデルラインが存在していることや、その違いについてはなかなか分からないかと思います。

そのため、本記事がジョンロブの靴を検討される際の参考になれば幸いです。

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